そして、バトンは渡された
本屋大賞の作品はどれもこれもすばらしい…
幼い頃に母親を亡くし、その後、親が次々代わってしまう主人公の高校生、森宮優子ちゃん。
食べること生きることに必死な生活、裕福でどこか窮屈な生活、色々な家庭を過ごしたけれど、まったく苦労していない、困っていないと言い切る主人公。なぜならどの親も主人公に対して無償の愛を注いでくれていたから。
血が繋がっていなくても愛を与え合える関係って素晴らしい。それはもう家族なんだろうな。
主人公はどこか達観している印象を受ける。親の都合で家族が何度も変わることで悲しみの耐性ができてしまったというか、期待しすぎないというか。
「今より大事にすべき過去など一つもない」と言い切る主人公、かっこいいなぁ。
この本では食べ物がたくさん書かれているのだけれど、どれも本当に美味しそう。普通の料理・ご飯なんだけど、あー食べたいなぁと思えるものばかり。長文のオムライス、いつか私もやってみたい。
読了後は心がじんわり温かくなった。そして周りの人をもっと大事にしようと思った。しみじみ感動する本は良いですね。やっぱり小説は色んな経験ができて面白い。
ちなみに、解説は上白石萌音ちゃん。文章上手いなぁ!