映画 蜜蜂と遠雷

f:id:dawadawa:20191113134716j:image

あらすじ

3年に一度開催され、若手ピアニストの登竜門として注目される芳ヶ江国際ピアノコンクール。
かつて天才少女と言われ、その将来を嘱望されるも、7年前、母親の死をきっかけに表舞台から消えていた栄伝亜夜は、再起をかけ、自分の音を探しに、コンクールに挑む。
そしてそこで、3人のコンテスタントと出会う。岩手の楽器店で働くかたわら、夢を諦めず、“生活者の音楽”を掲げ、年齢制限ギリギリで最後のコンクールに挑むサラリーマン奏者、高島明石。幼少の頃、亜夜と共にピアノを学び、いまは名門ジュリアード音楽院に在学し、人気実力を兼ね備えた優勝大本命のマサル・カルロス・レヴィ・アナトール。
そして、今は亡き“ピアノの神様”の推薦状を持ち、突如として現れた謎の少年、風間塵。国際コンクールの熾烈な戦いを通し、ライバルたちと互いに刺激し合う中で、亜夜は、かつての自分の音楽と向き合うことになる。果たして亜夜は、まだ音楽の神様に愛されているのか。そして、最後に勝つのは誰か?

 

感想

原作を知っているとどうしても映画と原作を比較してしまう。原作は分厚い2冊の本で構成されているから、それを2時間程度の映像に収めるのは無理がある。それらの事実をふまえ、映画を観た感想としては、ちょっと物足りなかったけどまぁまぁ面白かったな、という感じ。

4人のコンテスタントに焦点を当てている作品なのでどうしても1人1人の背景や人物像が深掘りできていない。劇薬であるはずの風間塵の劇薬っぷりが描ききれていないため、風間塵に深く影響を受けるはずの栄伝亜夜やマサル達との関係性がちょっと薄く感じた。

でも映画だからこそ良い点もたくさんあった。まずは音楽。クラシックに明るくない私が原作を読むと、曲名が出てきても「ふーん」と素通りするのだが実際に聴けて良かった。マサルの本選での曲は素敵だったな。あと、コンクールのために作られた「春と修羅」も聴けて良かった。高島明石のカデンツァは確かに一番耳に残る音色であり素晴らしい。

主役の松岡茉優の演技も良かった。ほぼスッピンかしら?「えへへ」とよく笑っていたのだが、戸惑いだったり照れだったり、沈黙を埋めるためだったり悲しみを隠すためだったり、同じ「えへへ」なのに感情がよく表れてすごい。でも個人的に一番印象的だったのは本選の指揮者を務める鹿賀丈史の、本番でやっと栄伝亜夜が自分の音楽を取り戻したときに見せた満面の笑みでした。ツンデレに弱いな。

 

TODO

クラシックコンサートを観に行く(1年以内)