蜜蜂と遠雷

f:id:dawadawa:20191006140855j:image

蜜蜂と遠雷

恩田陸  幻冬舎文庫

 

■ざっくりいうと

国際ピアノコンクールを舞台にしたお話。自宅に楽器を持たない少年、風間塵。かつて天才少女としてデビューしながら母の死以来ピアノを弾けなくなった栄伝亜夜。楽器店勤務のサラリーマンでありながら夢を捨てきれない高島明石。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル。それぞれが影響しあい、成長していく物語。直木賞本屋大賞受賞。

 

■感想

音楽のことはまったく知らない。ベートーベンとかショパンとか名前はわかるけれど、曲名を聞いてもどんな曲かパッと思い浮かばないのがほとんどである。けれど、自分もコンクールの場にいるような、すぐ音楽が聞こえてきそうな感覚に陥る本で、一気に読めた。恩田さんは人間の心理描写が抜群に上手だけど、音楽の表現もすばらしい。時々鳥肌が立ってしまった。音楽を知らない私でも感動するのに、音楽家の人たちがこの本を読んだらどう感じるのだろう。登場人物一人一人に感情移入でき、音楽って素晴らしいなぁとしみじみ感じる本である。

映画公開までに読了できてよかった。映画ではどこまで音楽が再現されているのか観てみたい。

 

■TODO 

蜜蜂と遠雷の映画を見る(10月中)