「女性活躍」に翻弄される人びと

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「女性活躍」に翻弄される人びと

奥田祥子  光文社新書

 

■ざっくりいうと

「女性活躍」時代といわれる今を生きる人たちの本音を、長年にわたる定点観測ルポを通して掬い上げている本。

 

■胸にささった文章

・管理職に就くことだけが、仕事で活躍する方法ではない(P49)

・女性は男性に比べ、報酬よりも、上司からの評価や励ましといった働きかけによって管理職を目指す意欲が高まる傾向がある(P228)

 

■感想

奥田さんが取材している女性からは、仕事の内容や会社・組織の体制に満足していないという印象を持つ。「女性活躍」ということで管理職にならざるをえないプレッシャーや戸惑い等々。

でも、男性だって仕事や組織の体制に不満を感じている人が少なからずいると思う。女性は、結婚や妊娠といったライフイベントをきっかけ(もしくは言い訳)にして、会社から抜け出せるけれど、男性はそうもいかない。私の周りの男性はじっと耐えているように感じる。そう考えると、女性だからどうのこうのっていうのはちょっと違うなと思った。 

あと、取材対象者の方々は他人と自分を比較しすぎている点が気になった。私も比較はするけれど、違うからといってそこまで気にはならない。自分が恵まれているからなのかな。良い意味で人は人、自分は自分って割りきれるようになると人生もっと生きやすいのでは?と感じてしまった。まぁ、女性の方が承認欲求が強いのでしょう。承認欲求を満たしてくれる何か(仕事でも人でも趣味でも)を見つけることが大事なんだろうなと思った。